私は6日間でミラノ・フィレンツェ・ローマを周りましたが、当然すべての名物料理を食べられたわけではありません。この記事では、各地の代表的な郷土料理を紹介しながら、実際に食べたものについては写真と体験もあわせて紹介します。
ここでは、ローマ旅行で知っておきたい代表的な郷土料理を紹介します。
はじめに
ローマ料理の特徴
ローマ料理は、チーズや黒こしょう、豚肉を使った素朴で力強い味わいが特徴です。
派手な見た目ではありませんが、シンプルな材料だからこそ素材のおいしさが際立ちます。
定番のカルボナーラをはじめ、日本でも見かける料理はありますが、本場で味わうと印象は少し違いました。シンプルだからこそ素材の味が際立ち、ローマならではの食文化を感じられるのも旅の楽しみです。
ローマを代表する郷土料理
パスタから肉料理、デザートまで、ローマを代表する郷土料理をまとめました。
▼ 気になる料理をクリックすると詳しい説明が見られます。
イタリア語表記
Carbonara
(カルボナーラ)
どんな料理?
ローマを代表するパスタ料理のひとつです。
本場のカルボナーラは、生クリームを使わず、卵・ペコリーノ・ロマーノ(羊乳チーズ)・グアンチャーレ(豚ほほ肉の塩漬け)・黒こしょうだけで作るのが伝統的なレシピです。
日本のカルボナーラとは少し違い、卵とチーズを余熱で絡めて仕上げるため、とろりと濃厚なソースが特徴です。
どんな味?
ペコリーノ・ロマーノのコクと塩気、グアンチャーレの旨味、黒こしょうの香りが合わさった、濃厚で食べ応えのある味わいです。
クリームソースというより、チーズと卵の濃厚なソースという印象で、黒こしょうが全体の味を引き締めています。
いつ食べる?
ランチでもディナーでも定番の一皿です。
ローマでは多くのレストランで提供されており、初めてローマを訪れるならぜひ味わいたい名物料理のひとつです。

イタリア語表記
Cacio e Pepe
(カチョ・エ・ペペ)
どんな料理?
カチョ・エ・ペペは、ローマを代表する伝統的なパスタ料理です。
イタリア語で「Cacio」はチーズ、「Pepe」は黒こしょうを意味し、その名のとおりペコリーノ・ロマーノと黒こしょうを中心に作られるシンプルな一皿です。
ソースは、チーズとパスタのゆで汁を混ぜ合わせて作るため、素材そのもののおいしさを楽しめます。
どんな味?
ペコリーノ・ロマーノの濃厚なコクと塩気に、黒こしょうの香りとほどよい辛みが加わった、シンプルながら奥深い味わいです。
使用する材料が少ない分、チーズの風味が際立ち、ローマらしい素朴なおいしさを感じられます。
いつ食べる?
ランチやディナーの定番メニューとして親しまれています。
ローマでは多くのレストランで提供されており、カルボナーラやアマトリチャーナと並ぶ代表的なローマ料理のひとつです。
イタリア語表記
Amatriciana
(アマトリチャーナ)
どんな料理?
アマトリチャーナは、ローマを代表する伝統的なトマトソースパスタです。
主な材料は、グアンチャーレ(豚ほほ肉の塩漬け)・トマト・ペコリーノ・ロマーノ・黒こしょう。シンプルな材料で作られますが、それぞれの素材の旨味が引き立つ一皿です。
名前は、ローマ近郊の町アマトリーチェ(Amatrice)に由来するとされています。
どんな味?
トマトのほどよい酸味と甘みに、グアンチャーレの旨味と塩気、ペコリーノ・ロマーノのコクが加わった、濃厚でバランスの良い味わいです。
カルボナーラよりもさっぱりと食べやすく、トマトソースが好きな方にも親しまれています。
いつ食べる?
ランチやディナーのどちらでも定番のメニューです。
ローマでは多くのレストランで提供されており、カルボナーラやカチョ・エ・ペペと並ぶ、ローマを代表するパスタ料理として人気があります。
イタリア語表記
Gricia
(グリーチャ)
どんな料理?
グリーチャは、ローマの伝統的なパスタ料理のひとつです。
主な材料は、グアンチャーレ(豚ほほ肉の塩漬け)・ペコリーノ・ロマーノ・黒こしょう。トマトや卵は使わず、シンプルな材料だけで仕上げます。
「カルボナーラの卵なし」「アマトリチャーナのトマトなし」とも例えられ、ローマ料理の原点ともいわれるパスタです。
どんな味?
グアンチャーレの旨味と脂の甘み、ペコリーノ・ロマーノのコクと塩気、黒こしょうの香りが調和した、シンプルながら奥深い味わいです。
材料が少ない分、それぞれの素材のおいしさをしっかり感じられます。
いつ食べる?
ランチやディナーのどちらでも楽しめる定番メニューです。
カルボナーラやアマトリチャーナほど日本では知られていませんが、ローマでは昔から親しまれている伝統的なパスタ料理で、地元のレストランでもよく提供されています。

イタリア語表記
Supplì
(スップリ)
どんな料理?
スップリは、ローマを代表するライスコロッケです。
トマトソースで味付けしたご飯の中にモッツァレラチーズを入れ、パン粉をまぶして揚げて作ります。
割ると中から溶けたチーズが糸のように伸びることから、イタリアでは「Supplì al telefono(電話のスップリ)」と呼ばれることもあります。
どんな味?
外はサクサク、中はやわらかく、トマトライスのほどよい酸味とモッツァレラチーズのまろやかさがよく合います。
日本のライスコロッケに似ていますが、トマトの風味がしっかり感じられ、お酒にもよく合う味わいです。
いつ食べる?
ランチやディナーの前菜として食べられることが多く、軽食や食べ歩きにも人気です。
ピッツェリアやトラットリアのほか、テイクアウトできるお店でもよく見かける、ローマでは定番の一品です。
イタリア語表記
Saltimbocca alla Romana
(サルティンボッカ・アッラ・ロマーナ)
どんな料理?
サルティンボッカ・アッラ・ロマーナは、ローマを代表する肉料理です。
薄く切った仔牛肉(または牛肉)に生ハムとセージをのせて焼き、白ワインやバターで風味豊かに仕上げます。
料理名の「Saltimbocca」は「口に飛び込む」という意味で、「思わず食べたくなるほどおいしい」という由来があるとされています。
どんな味?
やわらかい肉の旨味に、生ハムのほどよい塩気とセージの爽やかな香りが加わった、上品で風味豊かな味わいです。
ソースは比較的あっさりしており、肉本来のおいしさを楽しめる料理です。
いつ食べる?
ランチでもディナーでも楽しめますが、メインディッシュとして注文されることが一般的です。
ローマの伝統料理として多くのレストランで提供されており、パスタだけでなく肉料理も味わいたい方におすすめの一皿です。
イタリア語表記
Coda alla Vaccinara
(コーダ・アッラ・ヴァッチナーラ)
どんな料理?
コーダ・アッラ・ヴァッチナーラは、ローマを代表する伝統的な煮込み料理です。
牛テールをトマトやセロリ、玉ねぎなどの野菜と一緒にじっくり煮込んだ料理で、昔からローマの家庭やトラットリアで親しまれてきました。
「Vaccinara」は、かつてローマの食肉処理場で働いていた人々に由来する名前といわれています。
どんな味?
長時間煮込まれた牛テールはとてもやわらかく、口の中でほろりと崩れる食感です。
肉の濃厚な旨味に、トマトのほどよい酸味と野菜の甘みが加わり、深みのある味わいに仕上がっています。
いつ食べる?
ランチやディナーのメインディッシュとして食べられることが多い料理です。
ローマの伝統料理を味わえるトラットリアなどで提供されており、地元ならではの郷土料理を楽しみたい方におすすめです。
イタリア語表記
Trippa alla Romana
(トリッパ・アッラ・ロマーナ)
どんな料理?
トリッパ・アッラ・ロマーナは、ローマを代表する伝統的な煮込み料理です。
牛のハチノス(胃)をトマトソースや玉ねぎ、香味野菜と一緒にじっくり煮込み、仕上げにペコリーノ・ロマーノをかけていただきます。
ローマでは古くから親しまれてきた郷土料理のひとつで、現在もトラットリアなどで味わうことができます。
どんな味?
ハチノスはやわらかく煮込まれ、クセは比較的少なめです。
トマトの酸味と野菜の甘み、ペコリーノ・ロマーノのコクが加わり、旨味のあるやさしい味わいに仕上がっています。
いつ食べる?
ランチやディナーのメインディッシュとして提供されることが一般的です。
ローマの郷土料理を楽しめるトラットリアで見かけることが多く、伝統的なローマ料理を味わいたい方におすすめの一皿です。

イタリア語表記
Carciofi alla Romana
(カルチョーフィ・アッラ・ロマーナ)
どんな料理?
カルチョーフィ・アッラ・ロマーナは、ローマを代表する野菜料理です。
アーティチョーク(チョウセンアザミのつぼみ)に、にんにくやミント、パセリなどのハーブを詰め、オリーブオイルでじっくり蒸し煮にして作ります。
シンプルな調理法で、アーティチョーク本来の風味を楽しめるローマの伝統料理です。
どんな味?
やわらかく煮込まれたアーティチョークは、ほくほくとした食感で、ほんのり甘みがあります。
オリーブオイルのコクと、ミントやパセリの爽やかな香りが加わり、さっぱりとした味わいです。
いつ食べる?
前菜や付け合わせとして食べられることが多く、ランチやディナーのどちらでも楽しめます。
特に春(3〜5月頃)がアーティチョークの旬で、この時期にはローマのレストランでよく見かける季節の名物料理です。

イタリア語表記
Maritozzo
(マリトッツォ)
どんな食べ物?
マリトッツォは、ふんわりとした甘いパンに、たっぷりの生クリームを挟んだローマ発祥の伝統菓子です。
現在はクリームたっぷりの見た目で知られていますが、もともとはレーズンや松の実、オレンジピールなどを入れたパンとして親しまれていました。
どんな味?
やさしい甘さのパンと、軽く口どけのよい生クリームの相性が抜群です。
見た目はボリュームがありますが、クリームは意外と軽く、朝食やおやつとしても人気があります。
いつ食べる?
ローマでは朝食(コラツィオーネ)として食べられることが多く、カプチーノやエスプレッソと一緒に楽しむのが定番です。
もちろん、おやつやカフェタイムにもよく食べられています。
初めてのローマなら、まず食べたい3品
🥇 カルボナーラ
→ まずは本場を。
🥈 カチョ・エ・ペペ
→ 素材の旨みを楽しめる。
🥉 スップリ
→ 気軽に食べられる。
私が実際に食べたローマの名物料理
カチョ・エ・ペペ

早朝からローマの街を歩き回り、お昼過ぎに私が訪れたのは、ポポロ広場近くのCaffetteria Crystal。
店内には地元の人がひっきりなしに出入りしていて、気軽に入りやすい雰囲気のお店でした。
注文したのは、ローマ名物のカチョ・エ・ペペ。

運ばれてきたのは、チーズソースにたっぷりの黒こしょうがかかったシンプルなパスタ。見た目から食欲をそそります。
ひと口食べて驚いたのは、チーズやミルク特有のクセがまったくないこと。濃厚なのに重たさはなく、日本ならニンニクが入っていそうな見た目ですが、それもありません。
チーズと黒こしょうだけでここまで奥深い味になるのかと感心しました。余計なものを加えず、素材そのもののおいしさを楽しむ、ローマらしい一皿でした。
カルチョーフィ・アッラ・ロマーナ
ローマへ行く前は、この料理の存在すら知りませんでした。


ローマ初日に訪れた、テルミニ駅近くのローマ料理店「Trattoria Dell’Omo」で、お店の方におすすめを聞くと、真っ先にすすめられたのがカルチョーフィ・アッラ・ロマーナでした。
私が訪れたのは4月中旬。ちょうどアーティチョークが旬の時期だったこともあり、この季節ならではの名物料理だったようです。
日本ではあまり馴染みのないアーティチョーク。私も、このとき初めて食べました。
オリーブオイルで煮込んだ料理と聞いていたので、「かなり油っぽいのかな」と想像していましたが、実際はまったく違いました。

ほくほくとした食感で、ほんのり苦みがあるもののクセはほとんどなく、とても食べやすい野菜です。味付けも濃すぎず、素材本来のおいしさを引き立てるようなやさしい味わいでした。
最後まで本当においしくいただき、残ったオリーブオイルはパンにつけて食べたほどです。

この日は、赤ワインとカルチョーフィ・アッラ・ロマーナ、そしてメインはローマ料理ではなく、以前から食べてみたかったミラノ名物のオッソブーコを注文しました。どれもとてもおいしく、また訪れたいと思えるお店でした。
店内には著名人と思われるサインや写真が飾られ、日本語メニューも用意されています。お店の方も親切で、初めてのローマでも安心して利用できるレストランです。
スップリ

私は、メルカート・チェントラーレ・ローマで購入し、目の前のホテルへ持ち帰って、のんびりといただきました。
このように、スップリはテイクアウトにもぴったりのローマ名物です。
私が食べたのは、トマト風味のライスコロッケの中に、とろりとしたモッツァレラチーズが入った定番のスップリ。キウイフルーツほどの大きさでした。

ひと口食べると、トマトのほどよい酸味とチーズのコクが広がり、外はサクサク、中はやわらかい食感です。
「これはみんな好きな味だろうな」と思うほど食べやすく、見た目以上に満足感のある一品でした。
Bollito alla Picchiapò(ボッリート・アッラ・ピッキアポ)
たっぷり歩いた1日の夕食。「ライスコロッケだけでは足りないだろう」と思い、シチュー料理のお店で何を注文しようか悩んでいました。
ミートボールにしようか迷っていると、お店の方が「迷うなら、こっちが絶対おすすめだよ」とすすめてくれたのがBollito alla Picchiapòでした。

Bollito alla Picchiapòは、やわらかく煮込んだ牛肉をトマトや玉ねぎなどと合わせた、ローマの家庭料理です。今回は、ピタパンのようなパンに挟んだスタイルで提供されました。
牛肉は驚くほどやわらかく、ほろほろ。しっかりと味が染み込んでいて、とても食べ応えがあります。
さらに、その煮汁が染み込んだパンも絶品。最後の一口までおいしくいただき、「おすすめだよ」と勧めてくれた理由がよく分かる一品でした。

ガイドブックではあまり見かけませんが、お店のおすすめを信じて注文して大正解でした。
マリトッツォ

日本でも数年前から人気になり、さまざまなお店で見かけるようになったマリトッツォ。
せっかくローマへ来たのだから、本場の味を食べてみたいと思っていました。
パンテオンの目の前でひと休みしようと立ち寄ったカフェで、ショーケースに並ぶかわいらしいマリトッツォを発見。思わず注文しました。
実際に見ると、日本で見かけるものよりもかなり大きく、「これだけで一食分になりそう」と思うほどのボリュームです。
ところが食べてみると、たっぷり入ったクリームは驚くほど軽く、パンもふんわりとしていて意外なほどさっぱり。
カロリーは高そうですが、重たさは感じず、街歩きの途中で食べるおやつとしてちょうど良い満足感でした。
ローマを訪れたら、一度は本場のマリトッツォを味わってみる価値があると思います。
迷ったらこれ!目的別おすすめ
🍝 ローマらしさを味わうなら
🥩 がっつり食事をしたいなら
🌿 3〜5月に訪れたなら
🥐 街歩きのお供・軽食なら
🍴 珍しい郷土料理に挑戦するなら
ローマで名物料理を楽しむコツ
日本のイタリアンとは少し違うことを知っておく
ローマ料理は、日本のイタリアンのようにニンニクや生クリームをたっぷり使う料理とは少し違います。シンプルな味付けだからこそ、チーズや肉、野菜など素材そのもののおいしさを楽しめる料理が多いと感じました。
地元の人で賑わうお店を選ぶ

私は「ガイドブック掲載店」よりも、その場で地元の人が入っているお店を選びました。実際、お店の人におすすめを聞いて注文した料理はどれもおいしく、ローマらしい食事を楽しめました。
迷ったら店員さんにおすすめを聞く

メニューが多くて迷ったら、「おすすめは?」と聞いてみるのがおすすめ。地元ならではの料理に出会えることもあります。
私もおすすめしてもらった料理が、旅の中でも印象に残る味になりました。
まとめ
ローマ料理は、派手な見た目ではありませんが、チーズや黒こしょう、肉、野菜など、素材そのもののおいしさを楽しめる料理が多いと感じました。
私自身、今回の旅では、お店の方におすすめを聞きながら料理を選んだことで、日本ではあまり知られていない郷土料理にも出会うことができました。
初めてローマを訪れるなら、まずはカルボナーラやカチョ・エ・ペペ、スップリがおすすめ。そして春(3〜5月)に訪れるなら、ぜひ旬のカルチョーフィ・アッラ・ロマーナも味わってみてください。
ローマの街歩きと一緒に、本場ならではの食文化もぜひ楽しんでみてください。



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