私がひとり旅をし始めたのは、コロナ明けの2022年12月。
まだ日本ではマスクを外せず、ソーシャルディスタンスが当たり前だった頃です。
本当は、コロナ前の2020年。
娘が大学生になるタイミングを目標に、ひとり旅に出ようと決めていました。
けれど、世界はパンデミックに包まれ、行きたくても行けない状況に。
気づけば、時間だけが過ぎていきました。
私は仕事柄、ご高齢の方と接する機会が多くあります。
認知症を患っている方、頭ははっきりしていても体が思うように動かなくなってしまった方。
そんな姿を日常的に見ていると、ふと考えることがあります。
「私は、いつまで自由に動けるのだろう?」
「両親や夫は、この先どうなるのだろう?」
やりたいことができる時間は、思っている以上に限られている。
そう、いつも思い知らされます。
また、ご高齢の方から若い頃にいろいろな国を旅した話を聞くことも少なくありません。
旅の思い出を、嬉しそうに、楽しそうに語る姿を見るたびに、旅は人生の中で、確かに大きな「宝物」になるのだと感じます。
ご高齢の方を否定するわけではありません。
ただ、できるうちにやりたいことをやっておかないと、きっと後悔する。
そう思うようになりました。
夫と休みを合わせるのは難しいと分かっていましたし、「誰かと行ける時まで待つ」という選択肢は、私には時間を無駄にしているように感じられました。
だから、ひとり旅を決意しました。
忘れもしない、最初の海外ひとり旅はオーストラリア・ケアンズ。
初めてのことばかりで、トラブルもたくさんありました。
それでも、地元の方の優しさに何度も助けられたことを、今でもよく覚えています。
最初はもちろん、不安でいっぱいでした。
でも、いざ旅に出てしまえば、自分で何とかするしかありません。
覚悟が決まると、不思議と人は動けるものです。
そして実際、自分から危険な場所に近づかなければ、案外なんとかなる。
最近では、「次はどんなハプニングがあるかな?」なんて、少し楽しみにしている自分もいます。
ひとり旅では、すべての判断を自分でします。
時間の使い方も、体力の配分も、お金のことも、すべて自分次第。
その分、自分自身と向き合う時間が自然と増えました。
また、ひとりだからこそ、地元の方や他の旅行者と会話が生まれることも多く、思いがけない発見や出会いがあるのも、ひとり旅の良いところです。
絶景を見た瞬間の感動を、誰かとその場で共有することはできません。
けれど、その景色を、感情ごと独り占めできる感覚。
邪魔されずに、自分の心で感じきる時間は、今でも忘れられません。
もし、ひとり旅に少しでも興味があるなら、ぜひ思い立ったときに出かけてみてください。
意外と、不安なんてすぐに消えて、ひとりの時間を楽しめるようになります。
パートナーや家族、友達との旅行も、もちろん素敵な思い出になります。
でも、ひとり旅はまた違った経験や自信を与えてくれて、気づけば、普段の生き方まで少し変えてくれる。
私にとって、ひとり旅はそんな存在です。



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